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税金マル得情報「合同会社の社員の持分は相続できるのか?」

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1.合同会社の損益の分配について

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 株式会社の出資者は株主と呼ばれ、出資金額の割合に応じて議決権を保有し、その割合で配当を受け取ることができます。一方、合同会社の出資者は社員と呼ばれ、原則として出資金額に関係なく1人1票の議決権を保有します。しかも、出資金額や議決権の割合とはまったく関係なく、定款において損益の分配割合を自由に決定することもできるのです。ただし、出資金額の割合に応じない損益の分配を行う場合には、合理的な理由がなければ税務上問題になるため、一般的には出資金額の割合に応じて損益を分配します。もし、出資金額は少ないが貢献度の高い社員がいるならば、業務執行社員に就任してもらい、役員報酬を支払うことで調整すべきです。

 ここで、合同会社の損益の分配とは、金銭による配当のことではなく、事業年度ごとに作成する決算書の利益剰余金を各社員に振り分けて帰属させることです。そのため、途中から出資して参加してきた社員には、「出資した資本金+その事業年度の利益剰余金の分配額」を帰属させることになります。つまり、帰属させる利益剰余金は社員ごとに計算するのです。

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2.合同会社の利益剰余金の配当について

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 合同会社は各社員に利益剰余金を帰属させるのですが、その都度、それに対応した金銭による配当を行う必要はありません。利益が出れば各社員の持分が増加し、損失が出れば各社員の持分が減少するだけです。将来的に、各社員が退社するときに、または合同会社を清算するときに、帰属する資本金と利益剰余金を自動的に払い出すことになります。

 ただし、各社員から配当を請求することもできます。株式会社の場合には、株主総会の決議を行わないと株主に配当することができません。一方、合同会社は定款に定めがないと、各社員がいつでも個々で自分に帰属している利益剰余金の配当を請求できてしまうのです。そこで、定款で「社員総会の決議で過半数の賛成がなければ配当できない」などと定めて、各社員からの配当の請求を防いでおくべきです。

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3.合同会社の持分の相続について

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 各社員が退社する場合、合同会社はその持分に帰属している資本金と利益剰余金を払い出すのですが、「退社する」とはどのような場合なのでしょうか?
 社員側からの申出により、出資者としての資格が消滅して退社となります。この申出は、事業年度終了の時の6か月前までに予告すればよいのですが、定款で3か月前までなどと短縮することもできます。これを任意退社と呼びます。これに対して、社員が死亡したときには法定退社として強制的に退社となります。このとき、原則として社員の持分を相続人は相続することができずに強制退社となってしまうのです。そのため、社員の持分の相続税評価額は合同会社が払い出す金額となり、「(合同会社の時価評価された資産-負債)×持分割合」となります。低くなることが多い類似業種比準価額が使えず、高い純資産価額による評価となるのです。しかも、払い出された利益剰余金は被相続人に対する配当所得とみなされるため、多額の所得税がかかる可能性もあります。これを回避するためには、定款で「相続人が社員の持分を相続できる」と定めておく必要があります。相続人が合同会社の持分を相続できれば、相続税の評価でも株式会社の株式と同様の方法が採用できるのです。
 ただし、合同会社は持分を自己持分として取得することができません。相続した持分の評価額が高くて相続税が支払えないときには、相続せずに退社を選択するしかないのです。株式会社であれば自己株式として買い取れるため、株式を相続した相続人は取得費加算の特例が使えて、売却益への課税も譲渡所得税ですみます。合同会社では、それが適用できないのです。このようなデメリットはありますが、それでも合同会社を選択するならば、最低でも「相続人が社員の持分を相続できる」と定款に記載して選択できる余地を残しておくべきでしょう。

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