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税金マル得情報「貸付金を利用した相続税対策の注意点」 

1.お金を貸す相続税対策と否認事例

 ①祖父母が孫にお金を貸す、または、両親が子にお金を貸す、②お金を借りた孫や子が生命保険に加入する、という相続税対策があります。この「親族間のお金の貸し借り」で最も怖いことは何でしょう?それは「当事者の認識:お金の貸し借り」、「国税の判断:貸し借りではなく、一括贈与」となることです。

 これが争点になったのが、津地裁(平成15年2月4日判決)です。その後、名古屋高裁(平成16年7月15日判決)まで争われました。しかし、納税者の主張は認められず、「貸し借りではなく、贈与」と認定されたのです。この裁判において、名古屋高裁は次のとおり判断しています。

 

 相続税法~に定める贈与税の課税原因となる贈与は、贈与者の贈与の意思表示に対して受贈者がこれを受諾することによって成立する契約であるが、一般に妻子等自己と極めて親密な身分関係にある者の間で財貨の移動があった場合、これが租税回避の手段としてされることが少なくない。

 そのため、贈与税の課税に当たっては実質課税の原則に則り、実質に着目して行われるべきである。したがって、親族間で財産的利益の付与がされた場合には、後にその利益と同等の価値が現実に返還されるか又は将来返還されることが極めて確実である等(若しくは、名義上の利益付与等)特別の事情が存在しない限り、相続税法~の贈与であると認めるのが相当である。

2.国税庁のホームページの解説事例

国税庁のホームページには「親から金銭を借りた場合」として、次の解説があります。


○ 概要

   親と子、祖父母と孫など特殊の関係がある人相互間における金銭の貸借は、その貸借
   が、借入金の返済能力や返済状況などからみて真に金銭の貸借であると認められる場
   には、借入金そのものは贈与にはなりません。


○ 贈与として取り扱われる場合

   しかし、その借入金が無利子などの場合には利子に相当する金額の利益を受けた
   ものとして、その利益相当額は、贈与として取り扱われる場合があります。
   なお、実質的に贈与であるにもかかわらず形式上貸借としている場合
   「ある時払いの 催促なし」または「出世払い」というような貸借の場合には、
   借入金そのものが贈与として取り扱われます。

3.否認されないための方法

 重要なことは「ある時払いの催促なしなどの場合は金銭の貸し借りが成り立っていないので、貸付金そのものが一括贈与」「金銭の貸し借りは成り立っているが、無利息貸し付けの場合は利息相当額のみが贈与」となります。

 だから、親族間でのお金の貸し借りを相続税対策に活用するならば、次のことなどに注意する必要があります。



○ 金銭消費貸借契約書を作成し、返済期日を記載し、
  貸すお金は貸し手の口座から借り手 の口座に振り込む

○ 契約書に記載されたとおりに返済を実行する
 (借り手の口座から貸し手の口座に振り込む)



 このようなことは税務的に言えば当たり前のことなのですが、一般の方が素人考えで実行すると、税務調査で否認される可能性が出てくる訳です。否認事例は「極めて基本的なこと」ができていないものも多いのです。だから、国税は金融機関に対する反面調査も含めて、この点を突いてくる訳です。覚えておいて頂ければと思います。

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